2012年8月のブログ記事
やり抜ける人・3日で辞める人
メンタル面がタフな人と、そうではない人の違いって何でしょうか?
その理由が、とてもわかりやすく説明されている
植木理恵さん(心理学者)の言葉をご紹介しますね.。.:*・°
……☆ 引 用 ☆…………………………………………………
悲しいことや悔しいことが起きると、人は心の奥で
「なぜ私にこんなことが?」という問いを本能的に発する。
身の回りで起きたことの原因を「何か」に求めること、
これを心理学では【 原因帰属 】と呼ぶ。
この【原因帰属】のスタイルは、大きな個人差がある。
一度の失敗で恐怖症になるような人には、
この【 原因帰属 】に共通した傾向がある。
それは
「商談がいつもダメなのは、自分が話しベタだから」
「私には、もともとプレゼンの資質がないから」というように、
自分の「能力」や「性格」に原因を持っていく人である。
「能力」や「性格」という要素は、ある程度固定的なもので、
そこに【原因帰属】してしまうと、この先頑張ったところで、
どうしようもない気がするものだ。
その一方で、失敗原因を「努力」や「運」などに求めるタイプの人は
いい意味でのふてぶてしさと明るさを持っており、打たれ強い。
「努力」や「運」は、「能力」や「性格」に比べると可変性が極めて高い。
「今回に限っては、いまひとつ努力不足だった」
「今回に限っては、先方との折り合いが悪かった」
というように、「だからこそ、次回はうまくいく」と、
根拠のない希望の灯をともし続ける人こそ、
困難なプロジェクトでもやり抜ける素質を持っていると言える。
そして、成功の理由に限っては、
「自分には才能があるからうまくいった」というように、
可変性の少ない、揺るぎない原因を信じ込むことが必要なのだ。
後者のような、ご都合主義的な性格を持った人ほど、
結果的には、最後までやり抜くタフネスを持っていることになる。
Flowers at the fair / Valerie Everett
……………………………………………… 以上 ……………
「性格」や「能力」など、あまり変えようがないものを
原因だと思い込んでしまうと、気が滅入り、
あきらめムードになり、やる気が削がれてしまいます。
けれども、自分の「努力不足」や「運」の悪さが原因だったと
思えば、「よし、次は頑張ろう!」という気持ちになれますね。
しかし、上には上がいるもので、近年の研究によると、
さらにタフな種類の人たちがいると植木さんがおっしゃいます。
それは…
「原因を探らない人、失敗の犯人さがしをしない人」だそうです。
この人たちは、「なぜうまくいかなかったんだ?」という
原因分析にはまったく執着しない。こういう人が、
大仕事をやり遂げる力をマックスに持っているのだそうです。
これを読んだ時に、ふと思い出したことがあります。
『ツレがうつになりまして』(幻冬舎)著者の細川 貂々さんは、
「ツレ」の望月昭さんが欝病を発症し、看病疲れがたまり
言ってはいけない言葉を口にしてしまいます。
「入院しろ。治るまで帰ってくんな」
その直後、夫の望月さんは風呂場で自殺を図ります。
2年以上が過ぎても症状はよくならず、
2006年に細川さんは夫にこう告げます。
「治らなくていいよ。治らない方が前より幸せだから」
驚くことに、そう言われた途端、症状は回復に向かい、
その年の暮れには、すべての薬をやめることができたのだそうです。
これも、原因さがしや良くなろうという執着を
はずすことによる、心の力なのかもしれませんね.。.:*・°
※『人を見る目がない人』(植木理絵著)
※ 朝日新聞『100万人のうつ』参照