ダンスで超えた私の人生/萩原葉子
学生時代、社交ダンス(競技ダンス)を4年間していました。
高校を卒業して、憧れの地でもある京都での学生生活がはじまり、講堂の前できれいなドレスで舞うデモンストレーションに目が釘づけとなりました。
キャンパスでチラシを配る、先輩方の熱心な勧誘もあって、対人恐怖症ぎみで引っ込み思案だった私にしては、随分大胆な選択をしたものだ…と思いますが、思わず入部のサインをしてしまったのでした。
今思えばその選択は大正解で、帰省した時に妹から「お姉ちゃんの性格が明るくなってビックリした」と驚かれたものです。
先日、萩原葉子さんの『ダンスで超えた私の人生』を読んで、自分の体験とも重ねあわせながら、萩原さんがダンスによって人生が大きく切り替わってゆくご様子が、あますところなく伝えられていて感動しました。
萩原葉子さんは、詩人萩原朔太郎の長女として生まれ、37歳頃から文章を書きはじめ、様々な賞を受賞されている作家でいらっしゃいます。
ストレスが原因で病気になり、医者をとるか、ダンスを取るかという選択の中で、43歳にしてはじめてダンスを習うという選択をすることで、萩原さんの人生が大きく好転してゆきます。
ダンスによってウェスト20センチ減、10キロほどダイエットされ、70代に入ってから、アクロバット入りのリフティングを中心に個人レッスンを受け、作家仲間や多くの人の前でダンスを披露し、20代の体力を維持していたことにも改めて驚きでした。
萩原葉子さんは、祖母に虐待された暗い青春時代を送ったことから、強い対人恐怖症がありましたが、ダンスを通じて対人嫌いから、人を大切にする明るい性格を、自らの中に発見してゆきます。
これほど人は変われるものなのか…と、人生が劇的に変わってゆくエピソードに引き込まれ、その生き方からエールをもらえます。
萩原さんのこの言葉が印象的でした.。.:*・
「ダンスは自分へのセラピー(療法)だ」
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