うつ病はなぜ存在するのか
私たちは抑うつ状態になったり、あれこれと心配してみたり、様々な負の感情を抱きますよね。
それらの感情も、実は私たちが生き延びるために有益なものであることがわかってきたそうです。
今日は『進化からみた病気「ダーウィン医学」のすすめ』からご紹介しますね:.。*.・゚
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もっとも多く見られる精神疾患のひとつであるうつ病は、ストレスにさらされたヒトのうち、程度の差こそあれ、かなりの割合のヒトが発症すると言われる。
うつ病にまで至らない「抑うつ状態」であれば、ほとんどのヒトが経験しているだろう。
うつ状態になるという性質がそのくらい普遍的に見られるのであれば、過去何万年かを生きてきた我々の先祖にとって、生きるために必要だったと推測される。
まず考えられるのは、ストレスの多い環境に遭遇した場合の対策という可能性である。
うつ状態になって活動性を低下させて「引きこもる」ことが、無駄な活動を避けて生き延びる知恵として有効に働くという考え方だ。
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病気とはみなされていないが、否定的な精神活動である恐怖感や不安感には、明らかに生物学的意義があることが証明されている。
「臆病な」性質を持ったグッピーと、大型のサカナなどを見ても逃げない「勇敢な」性質を持ったグッピーを、捕食者であるバスと一緒に飼育した実験がある。
すると、勇敢なグッピーはあっという間に食べられて全滅してしまったのに、臆病なグッピーの中には、生き延びることができたものがいたという結果がある。
つまり、臆病や不安になりやすい性質は、生き残るために有利な性質なのだ。
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一見するとマイナスに捉えられがちな性質ですが、それらの資質が備わっているお陰で、悪環境の中で活動量を低下させ、体力を温存することによって、子々孫々へ命のバトンをつなぐことに役立っていたのですね:.。*.・゚
日本人の多くは不安・心配性の遺伝子を持つと言われますが、それが日本人にとって有利に働いている面もかなり多いのでしょう。
私が尊敬する経営者の方の中には、一見すると豪放磊落に見えるのですが、よくよくお話をお伺いしていると、「私は心配性で・・・」と話されてそのギャップに驚くことがあります。
だからこそ、あらゆる状況を事前に想定して準備を怠らず、競争の激しい世界の中でも、堅実に成果を上げていらっしゃるのだなと気づかされます。
またこの書籍の中に書かれてありましたが、妊娠初期に起こるつわりも、胎児を守り安全な出産を確保するために進化した性質なのだそうですね。
私も妊娠初期の頃はりんごしか食べられず、市販のお弁当は匂いをかぐだけでもダメでした。
本能的に「これは赤ちゃんを守るための体の仕組みではないか」と感じていただけに、ようやく答え合わせができたようで納得でした。
強いつわりを経験している妊婦さんはとても大変だと思いますが、つわりを全く経験しなかった妊婦さんに比べると、流産の確率が半分だったというデータもあるそうです。
つわりが発症する期間は、胎児に奇形が発生しやすい妊娠初期の3ヶ月付近であり、それを過ぎると劇的に消失するそうですから、すべては神から与えられた恵みなのだと感じますね:.。*.・゚
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