2016年11月のブログ記事
言葉の技術を磨こう!「肯定打ち消し法」で人を励ます
今日は、木下晴弘さんの『ココロでわかると必ず人は伸びる』という本の内容からのエピソードをご紹介しますね:.。*.・゚
著者の木下晴弘さんは以前、塾講師をされていました。
そして、生徒が講師を評価するアンケートで60点を取ります。
これはクビ寸前の最低評価・・・
その後、木下さんは「ダメ」講師から「感動トップ」講師へと駆け上がっていかれます。
ご紹介する内容は、木下さんが塾講師をされていた頃の出来事です:.。*.・゚
私たちの日々の生活にも活用できる内容で、覚えておかれると、いつの日か「ああ、助かった・・・」と、胸をなで下ろす日が訪れるかもしれません♪.。*.・゚
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【言葉の技術を磨こう!「肯定打ち消し法」で人を励ます】
言葉はウソをつく。
ときに、思っている本心とは全く別の言葉を発してしまう。
私など、小学3年の娘が夕方遅くまで帰宅しないとすぐ心配する。
ところが、待ちくたびれてやっと帰ったという瞬間、素直に
「待ってたよ、良かった良かった」と言えばいいのに、
「どこ行ってた!」ととがめる口調になる。
ヘタをすればゴツンと拳骨のひとつも食らわせる親だっているだろう
(行動までウソをつく)
実際に、中学3年の受験生に
「お前みたいな努力しないヤツは落ちてしまえ」と言い放ってしまったときは、本当に反省した。
もちろん、落ちたらいいなんて毛頭思っていない。
あくまでそんなことにならないように頑張ってほしいという意味のウソだが、言われるほうはショックである。
入試までたった1週間前という時期である。
言われた男の子はワーッと泣き出した。
慌てて「すまん、先生が言いすぎた。悪かった」と謝ったものの、何を言ったところでもう遅い。
言えば言うほど、むしろ火に油を注ぐようにダーッと涙を流して、私を見つめながら泣くのである。
彼が帰ったあと、私は祈るような気持ちでお宅に電話をかけた。
出たのはお母さんである。
「先生、長い間お世話になりました。うちの子は先生のことが大好きでした。
何も申し上げることはないので、あとはそっとしてやってください。
本当にお世話になりました」
いっそう失敗が身にしみた。
結局、生徒は退塾した。
ところが先輩講師があとでサラリと言った。
「木下。そういう時は『肯定打ち消し法』を使うんや」
若かった私はその意味を知らない。
「確かにやめてしまえと言った。けど、なんで先生がここまでひどいことを言うかわかるか? お前のことを心配しているから、ワザと言うたんや。心配しているんやから、次はこんなこと言わすな・・・とこう言えばいいのに」
逆に私のように、吐いた言葉を撤回する「否定打ち消し法」では、むしろ相手の傷を深くする。
正しくは「やめてしまえ」という言葉は否定せず、そこまで言わせた本心を説明して「打ち消す」のである。
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このエピソードは、子育てされている親御さんなら、誰しも身につまされるのではないでしょうか。
木下先生は、このことを先輩講師から教えられ、
「そんな技術があるなら、最初に教えておいてくれ!」と悔やんだそうです。
私も、習い事をしていた小学生の息子が、間違って自宅と反対行きの電車に乗ってしまい、その時にかぎって、息子の携帯の充電が切れていて連絡が取れず・・・。
息子は公衆電話から親に連絡する機転もきかずに、夜遅くまで連絡が取れなくなり、誘拐されたんじゃないかと、心底心配したことがあります。
息子の顔を見た時には、ホッとして
「こういう時にために、毎日必ず携帯の充電をしておいてねって、あれほど言ってたでしょ」と、思わず息子を責めました(苦笑)
本当に言葉と本心は裏腹で、大切に思う人ほど、感情が先に飛び出してしまうことがありますね。ただ、出した言葉は取り返しがつかないので、気をつけなければいけません。
家族や恋人、また先生と生徒、上司と部下など、あらゆる人間関係の中で、心にもないことを口走り「しまった!」と思った時には、【肯定打ち消し法】をとっさに思い出せるといいですね:.。*.・゚
その時に大切なのは、吐いた言葉を否定して打ち消す【否定打ち消し法】ではなく、吐いた言葉を肯定しつつ、そこまで言わせた本心を伝える【肯定打ち消し法】になりますから、くれぐれも間違えることがありませんように(*^-^*).:。.*・°