2017年6月のブログ記事
ダメなときほど運はたまる/萩本欽一さん
萩本欽一さんと言えば、コメディアン、タレント、司会者、ラジオパーソナリティー等で活躍され、驚異の高視聴率を連発して、テレビ界を席巻されたことで、多くの方がご存知だと思います。
私はテレビでお馴染みの“欽ちゃん”のイメージしかありませんでしたが、大変お世話になっている方から「萩本欽一さんの本はとってもスピリチュアル」とご紹介をいただいて、早速読んでみました。
萩本さんが【運】というものをとても大切にされていて、萩本さん独自の【運】の哲学が、とても深かったです。
萩本さんが【運】を強烈に意識するようになったのは高校生の頃。
萩本さんの家には毎日のように借金取りがやってきて、自分の家はモーレツに貧乏なんだと気づいたことがきっかけだったそうです。
今日は、萩本さんが一番苦しかった高校生の頃のあるエピソードがとても印象的だったのでご紹介しますね☆.:。.*・°
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大人になって成功する人は、若者を惹きつけるいい言葉を持っています。
高校時代、忘れられない思い出があります。
このころ僕の家は、税務署が差し押さえに来るほどお金に困っていたので、いろいろなアルバイトをして、家計を助けながら自分の学費も出していたんです。
甘納豆屋さんでアルバイトをしていたある日のこと。
自転車で甘納豆を配達に行く途中、うしろに積んでいた荷物で、横を走っていた車を傷つけちゃいました。
僕はぜんぜん気がつかなかったんですけど、うしろからパンパンッってクラクションを鳴らされて止まったら、車から降りてきたおじさんが、車にできた引っかき傷を指して言うんです。
「見ろ、これお前がやったんだぞ」
「すいません。でも僕、気がつかなかったんです」
「名前は?」
「言えません。僕、高校生で、今はアルバイトの途中なんです」
「じゃあアルバイト先の名前を言え」
「言えません。僕の時給270円なんです。母親を助けようと思って働いているので、これを弁償することになったら母親が泣きます。アルバイト先の会社も、時給270円で雇っているアルバイトの弁償金を払うことになったら大変だと思います。
だからおじさん、名前とか会社とか聞かないで。僕がおじさんの会社で働けばいいんじゃないの?僕、1年でも2年でもおじさんの会社で働いて、車を傷つけた分のお金を返します」
そう言ったらおじさん、スッと背を伸ばして僕に頭を下げたんです。
「すまん、君の言っていることは正しい。僕もアルバイトから始めて、今こうやって車に乗れるようになったんだ。そのことをすっかり忘れていたよ。怒ってすまなかったな。君、学校を卒業したあと、もしよかったらうちの会社にきてくれ」
僕に名刺を手渡して、おじさんはブワ~ンと去っていきました。
呆気にとられて見送ったあと、泣いちゃった。
かっこいいなぁ、僕もああいう人になりたい!
どんな偉人より、僕にはお手本になった人だった。
一生の恩人です。
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本当に、すてきなエピソードですね☆.:。.*・°
車を傷つけてしまった時、とっさの判断でこれだけのことを相手に伝え、提案できる高校生の萩本さんもすごいですし、また萩本青年の真摯な態度に、姿勢を正して頭を下げた男性もなんて粋なんでしょう!
萩本さんは高校生の頃、アルバイト経験を通じて「自分は損な役回りを率先して引き受けて、一生懸命やろう」と思ったそうです。
そのほうが人間関係が円滑になったり、信頼関係が早く結べることを、体験を通じて覚えたそうです。
ですから、このような困った場面でも、ほぼ反射的に、母親、雇い主、そして相手の男性のことを、心から想う言葉が飛び出たのでしょうね・・・。
高校生の萩本さんに教えられます。
萩本さんは「誰でも運の貯金通帳を持っていて、その人の生活に応じて増えたり減ったりしている」とおっしゃっています。
例えば、萩本さんは短時間で大金の入るコマーシャルの仕事は、当時、テレビですでに大成功していた自分にとっては、“運の貯蓄”という意味からはマイナスになると判断して、すべて断っていたそうです。
萩本さんがテレビの仕事をいったんやめた理由も、テレビで成功していた期間が16年。萩本さんがものすごく貧乏をしていたのも16年だったことに気づかれて、苦労していた時代に貯めた運の収支決算をした時に「あっ、もうこれ以上、大きな運はつづかないぞ」と思って、さっと身を引かれたそうです。
萩本さんは、こうして、常に運のバランスをご自分で測りながら生活をしているそうです。
決して運を一人占めしようとせずに、長い人生をトータルで考えれば【運と不運は半分半分】というゆるやかな考えが、大難を小難にする萩本さんの生きる知恵なのかもしれませんね。
長く成功を続けられた萩本さんの、体験に基づいた生き抜く知恵と、面白い視点をいっぱいもらえた、すてきな内容でした☆.:。.*・°
※参照『ダメなときほど運はたまる』『続 ダメなときほど運はたまる』