真に自由な生き方を考え続け、世界に大きな影響を与えたヘンリー・ソロー
グリーン・エクササイズに興味を持ち、土に触れる生活をはじめて約1年が過ぎました。
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◆自然が人々にもたらす驚異的な力
その癒しの力には驚くばかりで、その後、自然に関する書籍をよく読むようになりました。
その中で、新たな視点をもらった孤高の著述家、ヘンリー・ソローについてご紹介しますね:.。*.・゚
ヘンリー・ソローは、マサチューセッツ州コンコード出身の著名な思想家です。
ハーバード大学卒業後、生涯を通じて定職につくことなく、ウォールデン湖畔の森の中に丸太小屋を建て、自給自足の生活を2年2か月間送ります。
奴隷制に反対し2冊の本を刊行して、結核のため1862年に44歳の生涯を終えました。
森を毎日何時間も歩き、たった独りの生活を送りながら、真に自由な生き方を考え続け、思索を深めた記録『ウォールデン 森の生活』は、後に世界に大きな影響を与えました。
過去にヒーリングの師が、下記の老子の言葉を教えてくださいました。
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「家を出ることなく天下(世の動き)を知り、窓から外をうかがわずして、天の道理を知ることはできる。遠くに出かければ出かけるほど 悟りは少なくなる。
聖人は行かずして状況を知り、見ずして判断し、為さずして事業を成(な)す」
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その頃、シングルマザーで外出もままならない時期だったので「そんな視点があるのか・・・」と驚き、新鮮な印象を受けました。
ソローの思索する日々にも共通するものを感じて、感銘を受けました:.。*.・゚
今日ご紹介する『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』という本は、文化人類学者の今福龍太さんによるヘンリー・ソローの解説書になります:.。*.・゚
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1859年の元日、ソローは自分に深く心酔する廉直な友に向けて、こう書いている。
「わたくしも山に行って、楽しい日々をすごしたことはあります。でもわたしが知るかぎり、旅はどんな果実も生み出してはくれなかった、と白状します。山登りなどやめて、家で生活しながらいつでも旅人でいることです。日々の些細な出来事が、私たちに教えてくれることで、何一つ無駄なものはありません。」
ソローは確信をこめて「旅人のように居住すること」の美徳をやわらかく説いている。
「定住する旅人」でなければ見いだしえない、森の木々や葉の季節ごとの変転と、くりかえされる死と再生の環(わ)。
旅の真の意味を、歩行の価値を、彼はコンコードの森という極小の世界のなかでひたすら追求していった。
家で生活しながら、日々の鮮烈な「旅」に明け暮れたのはソローだけである。
彼はアメリカではじめて生まれた「定住する旅人」にほかならなかった。
おそらくソローは、そぞろに「歩く」行為の本質に、聖地巡礼の姿に似た、精神的な意義をみとめた古(いにしえ)の人々の感覚に、鋭く反応したのである。
日々の散歩こそ、自然のなかに埋め込まれた聖域(サンクチュアリ)を訪ね歩く、深い精神的巡礼の行為にほかならないと、ソローは直感していた。
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この本の中の「定住する旅人」の章は深かったです:.。*.・゚
ソローは決して人嫌いではなく、憂うつに取りつかれていた訳でもありませんが、日々の散歩は「正気をとりもどすため」にこそ行われるものでした。
ソローが思索していた200年ほど前のアメリカ社会は、急激な産業化、法による支配、物質主義の横行など、社会の矛盾が現れはじめた時期でもありました。
今の時代とも似通っていて、次々と生まれる先進的な制度が 人々を幸せにすると信じられていた時代に、ソローは根源的な問いを発します。
私たちはもう一度原点に立ち返り、再考を強く促されているように感じます。
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またもう一つ、ソロー自身の気づきの中で、好きな言葉があるのでご紹介します。
ソローが森の中で、たった一人で自給自足の暮らしを続ける中の発見です☆
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私はさびしいと思ったことも、孤独感にさいなまれたこともまったくなかった。
ただ一度だけ、森に住み始めて2、3週間たったころ、
「おちついた健康な生活を営むには、やはり身近なところに人間がいなくてはならないのではないか」という疑いの念に、1時間ばかりとりつかれたことがある。
その間、雨がしとしとと降り続いていたが、突然私は「自然」が ―― 雨だれの音や、家のまわりのすべての音や光景が ―― とてもやさしい、情深い交際仲間であることに気づき、たちまち筆舌に尽くしがたい無限の懐かしさがこみあげてきて、大気のように私を包んだ。
人間が近くにいればなにかと好都合ではないかといった先ほどの考えはすっかり無意味となってしまい、それ以来、二度と私をわずらわせることはなかったのである。
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子どもが巣立ち、私もいずれ一人の時がやってきますから、そんな未来について思いをはせることが時々ありました。
ですから、ソローの気づきは未知の世界への安心感をくれるものでした:.。*.・゚
ソローが自然を仲間と認識した感覚が、最近ほんの少しわかるような気がします。
グリーン・エクササイズに興味を持ってから、花を育てるようになりましたが、育児と似ていて、育てる側も喜びをもらえるものなので、自然は“家族”の一部という肌感覚をつかみはじめていたからです。
しかも庭で水やりをしだすと、毎回アマガエルが巣穴から地表に出てきて、数十センチの至近距離で、水やりしている様子をじっと眺めているんです。
カエルがこんなにかわいいとは^^
新たな発想の視点をたくさんくれたソローに感謝です。
マハトマ・ガンディーやキング牧師などにも思想的影響を与えたヘンリー・ソローは、人間よりも気高い存在と心を通わせるために、なによりも孤独を必要としていました。
自然のもたらす恩恵や、内面の旅の奥深さをもっと知りたくなったので、ほかのソローの著作もぜひ読んでみようと思います☆.:。.*・°
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