成功を左右する“自制心”と“やり抜く力”を伸ばすには?
今日は、学力テストでは測れない【自制心】や【やり抜く力】などの性格的特徴が、将来の人生の成功にも大きく影響している研究結果をご紹介しますね:.。*.・゚
人生を成功に導くうえで重要だと考えられている非認知能力(注釈:学力テストでは測れない能力のこと)のひとつは【自制心】です。
【自制心】の調査は、コロンビア大学の心理学教授、ウォルター・ミシェルのマシュマロ・テストの研究が有名です。
4歳児の子どもの自制心をテストするために、マシュマロを食べずにどれだけ我慢できるか実験をおこないました。
その後10年以上たって追跡調査を行ったところ、おやつを15分がまんできた子供たちの学力検査の得点平均は、30秒も我慢できなかった子供たちの平均を210点も上回ります。
つまり、マシュマロを我慢できた時間とその後の成績には、目を見張るほどの相関関係があったのです。
もう一つ、学力では測れない重要な能力としてあげられるのが【やり抜く力】です。
この能力は、ペンシルバニア大学の著名心理学者、ダックワース准教授が「成功を予測できる性質」として発表したことで注目を集め、GRIT(グリット)とも呼ばれています。
ダックワース准教授は、やり抜く力について「非常に遠い先にあるゴールに向けて、興味を失わず、努力し続けることができる気質」と定義しました。
やり抜く力は、調査対象者に12問ほどの質問に答えてもらうことで簡単に数値化できます。
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陸軍士官学校の訓練に耐え抜くことができる候補生は誰か。
ダックワース准教授は、事前にかなり高い精度で予測することができました。
「やり抜く力」が高い人は、成功する確率が高かったからです。
さらにダックワース准教授は、やり抜く力と知能指数の間にはほとんど相関関係がないことも明らかにしています。
知能指数よりも、私たちの性格的特徴が成功に影響をあたえているというのは、とても興味ぶかい研究結果ですね:.。*.・゚
【自制心】や【やり抜く力】は、きわめて価値のある、持つべき資質になるのです。
では、これらの性格的特徴を伸ばすためにはどうすればよいのでしょうか?
最近の研究では、これらの能力は成人後であっても、きたえて強度を高める性質のあるものが少なくないことがわかっています。
【自制心】は「筋肉」のように鍛えるとよいと言われています。
筋肉をきたえるには 継続と反復が必要ですが、それと同じように【自制心】も、何かをくり返し継続的におこなうことで向上します。
心理学の分野でも「こまかく計画をたて、記録し、達成度を自分で管理する」ことが自制心をきたえるのに有効であると、多くの研究で報告されています。
【やりぬく力】は「心の持ちよう」によって強くなると、スタンフォード大学の心理学者であるドゥエック教授が主張しています。
「自分のもともとの能力は、生まれつきのものではなく、努力によって後天的に伸ばすことができる」と信じる子どもたちは「やり抜く力」が強く、その結果、成績も改善したのです。
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また、山形大学の窪田准教授らの研究によると、しつけが子どもの【勤勉性】に因果関係を持つことが明らかにされました。
【勤勉性】は、職場での成功の一番の指標となりますが、ほかにも犯罪にかかわる率が低くなったり、喫煙率や飲酒率が低く長生きであるなど、人生全般に深くかかわっています。
幼少期にしつけをきちんと行い、基本的なモラルを身につけ、育まれた勤勉性は、ゆりかごから墓場まで、ものごとをうまく運ぶために重要な要素になるのです。
また「いい先生」との出会いも非常に大切です。
スタンフォード大学のハヌシェク教授の研究結果によると、能力の高い教員は、子どもの遺伝や、家庭環境の不利な点を帳消しにしてしまうほどの影響力を持つと結論づけています。
同じ学力の子どもに対して、能力の高い教員が教えると、子どもたちは1年で1.5年分の内容を習得できましたが、能力の低い教員が教えると、0.5年分しか習得できませんでした。
しかも、質の高い教員は子どもの学力をのばすだけにとどまらず、10代で望まない妊娠をする確率をさげ、大学進学率を高め、将来の収入も高めていることが明らかになりました。
私も子育て中には、子どもがいい先生に巡り逢うことで、親でさえ気づかなかった可能性を開いていただいた経験があり、よい師を探すことの大切さは身をもって感じています。
私たちはよき師を求めて環境を整えることに、もっと真剣に取り組む必要があるようです:.。*.・゚
※『学力の経済学』中室牧子著
※『成功する子 失敗する子』ポール・タブ著参照
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